すげなく突き放そうとする私を裕也がさらに追ってくる。


「俺、わかったんだよ。おまえと別れてから、なんもかんも上手くいかなくなってさ。おまえと別れたのが間違いだったんだよ」


あなたが何をわかったのか知らないけど、私にはさっぱり意味がわからない……。

ただ、彼女との仲もうまくいかず、おそらく事業も芳しくないであろうことは察しがついた。


「おまえとやり直せたらさ、俺は変われるんだよ!」


どんな宗教だか知らないけど、この人が変れないのは確かだと思う。


「私はやり直す気はないから。もう連絡もしてこないで」

「千佳、待ってくれよ!話はまだ終わってないんだからさ」

「終わってます!」


コンビニの駐車場の隅で繰り広げられる、傍迷惑な押し問答。

昔の裕也なら、こんなみっともないことしなかったでしょうに……。

困惑と苛立ちとともに、情けなくて悲しい気持ちがこみ上げた。

でも、情に流されたりは決してしない。

だって私の中ではもう完全に終わったことなのだから。

なのに、裕也はちっともわかっていなくて。

振り切って去ろうとする私の腕をがしっと掴んだ。


「千佳、行くなよ!」


怖い、気持ち悪い……!!

裕也の恨めしそうな目つきにぎょっとする。

途端に血の気が引くような感覚に襲われた。