あれから、何時間たっただろう。
私は街の噴水の前で泣いていた。
親には虐待され
友達には裏切られた。
もう生きる意味なんて私にはなくなったんだ。

「なんで、泣いてる?」

いきなり声をかけられた。
上を見上げると背が高く
黒いパーカーにジーンズと
ラフな格好をした男の人だった。
フードで顔がよく見えない。

「...だれ?」
「俺はなんで泣いてるかと聞いているんだ。」
何この人...

「悲しいから。」
答えてしまった。

「...悲しいと人は泣くのか?」
...?何言ってるの?
「そうだけど。」
「そうか。」
なんなのいったい...

「じゃあ、どうしたら笑う?」
「え?」