そこまで言って言い淀む。
言おうかどうしようか、迷っているようだ。



「言い辛い事なら言わなくていいよ?」

「いや、その……お前は家族というものを凄く大切に想っているだろ?だから、俺の家族を知って幻滅するんじゃないかとか、いろいろ考えてだな」



誤解が解けたからじゃなく、今物凄く侑李が愛しく思える。

侑李なりに私のことを考えて、家族のことを言おうかどうしようか必死に考えてくれてたんだ。
そのことが凄く嬉しい。



「それに、俺は何があってもお前を離さない。お前は俺を救ってくれた唯一の天使だ」

「侑李を私が救った?」



天使って言葉にも照れるけれど、それ以前に私が侑李を助けたことなんてあっただろうか。
侑李が私を助けれくれたのは何度もある。
思い返しても心当たりがない。



「これ見て、思い出さないか?」



胸ポケットから、小さな何かを取り出し私に見せる。
それは子供が付けるような、ラメが入った水色の星型の髪留め。