思わず口にしてしまった言葉に目を見開き、慌てて自分の口に両手を当て塞ぐ。
こんなこと、言うつもりじゃなかったのに――。
淡青色の瞳と目が合う。
それは揺らぐことなく、力強く私を見詰めてくる。
「ごめ、今のは――」
慌てて言い訳を言おうとしたけど、何を言えばいいのか言葉が出てこない。
言い淀んでいると、侑李は呆れたように溜息をつき私を抱きしめた。
「お前、やっぱり誤解してんな」
誤解?何を……。
言っている意味が分からなくて、目を見開いたまま彼の胸に体を預けたまま聞いていた。
「お前が見たのは、俺の姉貴だ」
嘘……お姉さん?そんな都合のいい話ある訳ない。
私が侑李の家族のことを知らないと思って適当に言ってるんだ。
荒んだ心が、素直に侑李の言葉を受け取ることが出来なくてあらぬ考えを産む。