私の視線に合わせるように屈むと、頭に手を乗せ髪の毛をワシャワシャと掻き乱す。
乱暴に見えるその仕草も、とても優しい。
……だけど。今の言葉は許せない。
「不細工？……煩いわね。私だって――」
頭の上の乗る彼の手を捕まえて、文句を言おうとしたけれどクスクス笑う声が聞えて止めた。
「ふふっ、あなた方は普段からそうなんですか？」
「だったら、どうなんだよ」
訝し気に彼を見上げる侑李。
けれどそんな事には気にもかけず、心底可笑しそうに笑っている。
あ――こんな顔で笑うこともあるんだ。
少しだけ彼の本当の姿を垣間見た気がして嬉しくなった。
「いえ。とても羨ましいと思っただけです」
もしかしたら、自分と主との関係を重ね合わせたのだろうか。
私と侑李の関係は、本来の主と従者というものとは違う気がする。
それに私は侑李のことを――。
