いっそここで、“好きです”って言ったら侑李はどんな顔をするんだろう。
悪戯心が静かに湧き出てくる。



「ねぇ、侑李。私……メニュー作ってみるけど、一緒にトレーニングしてみない?」



言えない!!絶対、私から“好き”なんて言えない。
冗談でも、今言っちゃいけない気がする。



「あ、あぁ……頼む」



嘘……いつもは、拒絶の言葉しか口に出さない侑李が“頼む”なんて初めて聞いた。

目を見開いて、侑李の顔を見上げたけれど聞いているのか分からない程、動揺しているのが分かる。
きっと今言った言葉も、記憶にないとか言われそう。


侑李。侑李は私のこと、どう思ってるの?
いっそ侑李の頭の中が見えれば良いのに――。