太陽が苦手なんて、まるで吸血鬼みたいだ。
肌も白いし、これで犬歯が伸びていたらまさしくソレに見えるだろうな。



「何を笑っている?」

「別に」



ヤバい。知らず知らずのうちに頬が緩んでいたみたいだ。
侑李のことを吸血鬼みたいだと考えていたなんて、口が裂けても言えない。

気を取り直して、不服そうな顔を浮かべる侑李の腕を掴み体を支えた。



「え……?」



彼の体を支えてみて、やっと気づいた。
思った以上に足がふらふらで、力が入っていない。
私のペースでここまで追い付くのでさえ、かなり無理をしていたんだ。

いつもは私に命令ばっかり言う癖に、なんで自分が弱っている時には何も言わないのかな。



「……嘘つき」

「何か言ったか?」



心の中で呟いたつもりが声に出ていたらしい。
だけど満身創痍の侑李には聞えなかったようで、怪訝な顔をされただけだった。