「でも、いちばんの理由はそんなんじゃない。」


「え、なに?」


「なんだと思う?」


いつきが顔を近づけてきた。


う、むかつくほどのイケメン。


整いすぎっつーの。



ぱっちり二重に筋の通った鼻


きりってした眉


ちょっと厚めの唇。



中学のころは、いつきが学年で一番モテた。


だって勉強も運動もできてイケメンなんだもん。


モテるのは必然。



でも、誰とも付き合わなかったんだよね。



なんでだろう。




「なによ。」


「おまえは俺がいないとなーんもできねえから。
お前のためだよ。」


にまにま顔でこっちを見ている。


バカにしてる顔だ。


「いや、私が私立の女子校入ってたら一緒にいられないじゃん??」


「ばかなんだから入れるわけねぇだろ。」


いつきはそう吐き捨てた。



ほんとにむかつくなぁ。



「ついた。」