「犯罪者め。」


「あ?でこぴんは犯罪じゃねーよ。」


「不法侵入。」


「あー。」


いつきは理解したように、歩きながら空を見つめた。



ふわっとした茶髪。


ほどよい天パ、羨ましい。


私は手を伸ばしていつきの髪をピーンと引っ張った。


「んだよ。」


じろりと睨む。


「ストレートの七三分けになっちゃえばいいのに。」


フッといつきが笑った。



「てか!なんでいつきが同じ学校なのよ!!」


私は急に叫んだ。



そう、私が今日から通う高校は、公立のバカ高校。


え?なんでお金持ちなのに公立かって?


第一志望の私立の名門お嬢様学校に落ちたからです。



うちの家系は代々その名門校に通っていた。


ママもおばあちゃんもひいおばあちゃんも、小中高大、ずーーっと。


でも、私はいまのところ受験に全敗中。


ずっと公立に通ってる。


だって馬鹿なんだもん。