オレンジのショートヘアに、くりっくりの大きな瞳、ブレザーの中にはパーカーを着ている。


こっちに向かってくる。


どうやら私の前の席みたい。


「おっはよー、紗倉っ!!」


紗倉…もしかして、王子様の名前?


「お前、髪、どうしたの。」


「染めちゃったー!かわいいでしょ!
紗倉は相変わらずだっさい黒髪なんだねー。」


「うるせえな、俺は髪なんか染めねえよ。」


紗倉くん、さっきとはうってかわって、すごい喋ってる。


紗倉くんと同じ中学の子かな。



もしかして、彼女…?



「あれ?ここにもだっさい黒髪の子がー!」


急に声をかけられた。


それにしても、初対面でださいって、失礼過ぎない!?



「あ、私、笠木純恋。よろしくね。」


「スミちゃんっ!よろしく!!
うちは、水原 千鳥(ミズハラ チドリ)だよー。」


すごい元気そうな子。


ちょっと失礼だけど、仲良くなれそうだなー。


「スミちゃんって、すごい真面目そうだよね!清楚っていうか!」


「あー、こう見えて私、全然真面目でも清楚でもないんだ。
どっちかっていうと、千鳥と同じタイプ?」


「えーっ!!驚き!」