席に向かう、一歩一歩の足が、震える。



隣なんて、偶然すぎる…


運命しか、有り得ないよ…!!



席に座ると、彼の横顔が目に入った。



やっぱり、綺麗…


「俺の顔に、なんかついてる?」


彼の言葉に、私はハッと我に返った。


見とれちゃってたよ、やばいやばい。


「あ、さっきはありがとう!隣なんてすごい偶然だよね!!」


「チッ」


あ、あれ?


いま、舌打ちされたような…


「私、笠木純恋っていうの。よろしくね!」


彼は、返事もせずに、そっぽを向いた。



あれ、私の思ってた王子様と違う…


こんなに冷たい人だなんて!!



ガラッー


「ギリギリセーフ!」


扉が勢いよくあけられ、小柄な女の子が入ってきた。