胸の動悸が激しい。


顔が、あつい。



おかしい。


なにこれ。


きゅーんて、胸になにか突き刺さった。


抜けないよ。



こんなの初めて。


階段から落ちた衝撃…?


ううん、


あの人だ。



王子様が


助けてくれたから。



ねえ、この感じ




これって、もしかして





恋?





「おい、純恋、大丈夫か?」


いつきが、駆け下りてきた。


「うん…」


私はただ、じっと、あの人が入っていった校舎を見つめていた。



「純恋…おい、もしかして…」


いつきの声は、もう、私の耳になんて入っていなかった。