お昼休み。
みっちゃんと私は、それぞれ持ってきたお弁当を持って屋上に向かっていた。
いつも私たちは屋上で食べる。
いつもと言っても、冬は寒いから教室で食べているけど。
今は夏だからほぼ毎日屋上。
「ねぇ、知ってる〜?一昨日田中がね〜・・・」
みっちゃんのたくさんの面白い話を聞きながら屋上までの道を歩いていると、数人の男の子の中のひとりが私の顔を見て叫んだ。
「あっ!!」
私は驚いて肩をビクッと揺らす。
それと同時に立ち止まった。
「ん?夏美、知り合い?」
みっちゃんが話を中断し、首を傾げて私に問いかけた。
「え・・・わからない・・・」
この人たち、見たことすらない。
すると、私を見て叫んだ男の子が、私に近づいてきた。
「昨日、大丈夫だった!?」
・・・・・え?
昨日って・・・ボールのこと・・・かな。
なんで、この人が昨日のことを知ってるの?
私は、動揺を隠すことができなかった。