それから時は過ぎ────。
8月下旬。
「夏美!持ってきたよ!」
そう言ったお母さんが私のところへ持ってきたのは、オレンジ色の綺麗な浴衣。
それから下駄と帯とかばんも持ってきた。
そう。
今日はこれからみんなと夏祭り。
みっちゃんは浴衣を着ると言っていたから、私も浴衣を着ることにした。
そして私は浴衣を身につけ、お母さんに髪を結んでもらった。
サイドテールに編み込みカチューシャ。
ヘアアレンジが得意なお母さんがしてくれたおかげか、すごく綺麗だ。
「夏美かわいい〜!!」
お母さんは子供のようにはしゃいでいる。
そんなお母さんを見て私もつい、笑をこぼした。
「もう時間だから行ってくるね」
時計を見た私は、お母さんに一言声をかけてから家を出た。