「大丈夫ですか!?」


私が痛みに耐えるように顔を抑えていると、ひとりの男の子が私のもとに走ってきた。


私は、その男の子の姿を見た。


夕日の逆光で顔がよくわからない。


ただわかるのは、ちょっと身長が低めの男の子だということ。


年下かな?


「あ・・・だ、大丈夫・・・です」


私は、痛みに耐えながらそう言った。


「・・・あ。俺と同じ2年・・・だよな。・・・ごめん!ボール、当てちゃって・・・」


そっか。


私の顔に当たったのは、この人が蹴ったサッカーボールだったんだ。


それに・・・同じ学年・・・。


この人、正直1年生かと思ってた・・・。



「いいの・・・。大丈夫だから・・・」


「本当、ごめんな!」


そう言って彼は、部員が待つ方に走っていった。