「行け!」
「こっちだ!パス!」
グラウンドの端を歩いていると、サッカー部がグラウンドの中心で練習をしている姿が目に入った。
もう最終下校時刻前だというのに、まだ練習してる・・・。
顧問の先生、怒らないのかな?
だけど、汗をかきながら必死で走るみんなの姿を見て、かっこいいとも思ったんだ。
夕日を浴びて、無我夢中で走る男の子たち。
・・・すごく、かっこいい。
そう思った瞬間────。
「危ないっ!」
そんな声とともに、顔面に激痛が走った。
何かが顔面に当たったようだ。
「いたた・・・っ」
その衝撃に、私は倒れ込み、顔を歪めた。