ハルが引っ越して、一週間が経った。
私は今でも前を向いて笑っている。
寂しくない・・・なんて言ったら嘘になるけど、私はあれから涙を流していない。
そのことは、みっちゃんたちにも不思議がられた。
「夏美は桜木くんがいなくて寂しくないの?」
「別に泣いてもいいんだぞ?」
度々そう聞かれる。
その時私はこう答えるんだ。
「約束したから・・・。ハルがまた、私を迎えに来てくれるから、涙なんて出てこない。」
ハルとした約束が、私を強くしているの。
毎日毎日ハルのことを考えるよ。
だけど、涙なんて一粒も流れてこない。
本当に不思議だよね。
たったひとつの約束で、ここまで変わるなんて。
隣にハルがいないというのに、私・・・幸せなの。
・・・本当、不思議だね・・・。