「そこ、座って。」
ハルは、目の前にある大きな岩を指さして、言った。
3人くらい座れそうな大きな岩。
「うん」
私がその岩に腰掛けると、続けてハルも隣に座った。
「・・・もうそろそろかな。」
ハルは、ニヤッと微笑んでそう言った。
なに?何かあるの?
「ほら、見てみ!」
少しして、ハルが私の前を指さした。
「────・・・・・わ・・・ぁ・・・」
目の前にあるものを見ると、私は小さく声を漏らした。
・・・夕日。
オレンジ色の空の下に浮かぶ、空と同じ色の夕日が目の前にあった。
大きくて、嫌なことをすべて忘れられそうなほど綺麗な夕日。
「綺麗・・・」
夕日って、こんなに綺麗で大きかったんだ。
初めて夕日をちゃんと見たな・・・。