「カラス!」


「す・・・す・・・。スイカ!」


校舎を出て、ハルとしりとりをする。


手を繋いでゆっくり歩きながら。


この時間がこんなにも幸せで・・・こんなにも切ないと思う日が来るなんて。


「かき!」


「き・・・きりん!・・・あ。」


ワハハと笑い合う。


・・・こんなに何気ないことなのに、涙が出そうになるのはどうして?




「夏美!そこ!」


今まで歩いたことのない細い道を歩いていくと、突然ハルが指を指してそう言った。


「ん?ここ?」


私は首をかしげた。


・・・だってこの川原、“立ち入り禁止”って書いてある。


「入ってもいいの?」


私が問いかけると、ハルがいたずらな笑顔を浮かべた。


「本当はダメだけど、行こうぜ!俺のお気に入りの場所なんだ」


そう言いながら、ゆっくり進む。