お昼休み────
「で、何があったんだ?」
私たちは、みんなで屋上に来ていた。
いつものように、円になって座る。
屋上には普段誰もいないから、私たちの第2の部屋のように使っている。
「俺な、8月に転校するんだ!電車で5時間のところの学校」
清水くんの問いかけに、明るく答えたハル。
みんなに心配をかけないように、わざと明るく振舞っているんだね。
・・・1番悲しいのは自分なのに。
「・・・・・っ」
「うそ・・・でしょ」
みんな驚きを隠せない。
私はハルのように明るい表情を見せた。
すると、清水くんが
「晴人と菅野は悲しくねぇの?」
怒ったようにそう言った。
清水くんの表情も、普段では想像のつかないくらいに無表情だ。
いや、怒りに満ち溢れているようにも見える。