もう・・・ダメ・・・。


苦しいよ・・・ハル。


私は駆け出した。


ハルの背中にまっすぐ走る。


雨なんて気にしていられないほど、私は懸命に走った。


そして、ドンッとハルの背中に抱きついた。


傘は置いてきたまま。


「ねぇ、ハル?最近変だよ。何があったの?ハルが辛いと、私も辛い。ハルが笑顔じゃないと、私も笑えない。何があったか話して欲しい。少しでも、ほんの少しでもハルの力になることは出来ないかな?」


ザァーッと雨の音だけが響く。


すると、ハルの背中が小刻みに震えた。


・・・泣いてるの?


「ご、めん。ごめんな。」


ずっと黙っていたハルが言った。


「辛い思いさせて・・・ごめん。」


ハル・・・っ。


さらに激しく涙が流れる。