そのあと、私たちはすぐに教室に戻った。


────ガラッ!!


ハルは、ものすごい勢いで教室のドアを開く。


その大きな音に、教室にいた全員が肩を震わせた。


みんなの視線が私たちに集まる。


「神谷!!」


ハルは私の手を握りながら、大きな声で神谷さんを呼んだ。


教室の空気が重くなる。


神谷さんの表情も、だんだん強ばっていく。


「お前、夏美に嫌がらせしていたのか?」


ハルのその一言で、クラスが騒がしくなる。


「し、してないよ!私が嫌がらせなんてするはず・・・」


「嘘つくなよ!!」


ビクッ────


ハルの怒鳴り声に、私まで肩を震わせる。


ハルは、だんだん神谷さんに近づく。


「なんで、嫌がらせなんてしたんだよ」


ハルは、思い切り神谷さんを睨みつけながら、そう言う。


神谷さんは、ハルの勢に怯えているのか、ガタガタと震えている。


「す、菅野さんが・・・は、晴人くんと・・・付き合っているから・・・っ。」


そう言った神谷さんの声は、ものすごく小さくて弱々しかった。


神谷さんの言葉を聞き、ハルが「え・・・」と呟いた。