「えぇ〜っ。でもぉ、晴人くんってぇ、正直私のこと好きでしょぉ?」


チクッ────


ハルのことを信じているのに、胸の痛みが消えない。


「好きじゃねぇよ!俺が好きなのは夏美だけ。」


ハルが真っ赤な顔をしてはっきりとそう言った。


・・・嬉しい。


ハルの言葉に、つい、ニヤけてしまった。


「うそぉ〜!こんなブサイクのどこがいいのぉ?この子、晴人くんの顔しか興味無いんじゃないのぉ?見るからに性格悪そうだよねぇ。晴人くんと不釣り合いだよぉ?」


そう言って神谷さんは、キャハハと笑った。


・・・そこまで言われたら、自信がなくなる。


私はハルの顔に惚れたんじゃない。


神谷さんにそう言いたかったけど、勇気のない私は俯くことしか出来なかった。


「なに?妬んでんの?夏美がかわいいからって・・・夏美が桜木くんの隣にいるからって・・・妬んでんじゃないわよ!言っとくけどね、桜木くんにはあんたの方が不釣り合いよ!!この性悪女!」


ついにキレたのか、大きな声でみっちゃんが言った。


かっこいいな・・・みっちゃん。


神谷さんは、顔を歪めてみっちゃんを見ている。


みっちゃんの迫力に負けたみたい。