『最終下校時刻、10分前です。校内に残っている人は、速やかに下校しましょう。』
ひたすら絵を描いていると、最終下校を知らせるアナウンスが聞こえた。
「・・・もうこんな時間か。帰らなくちゃ・・・」
ため息をついてそう呟き、私は帰る支度を始めた。
すべてを片付けていく中、私はスケッチブックを眺めた。
黄色と白の、かわいらしいスケッチブック。
このスケッチブックは、高校の入学祝いにお父さんが買ってくれたものだ。
それも、値段が少し高いもの。
だから、私にとってそれは宝物なんだ。
一生大切にしたいもの。
そして私は、支度を済まして校舎を出た。