そのあと私たちは、ぎこちない雰囲気の中、ケーキを食べた。
ハルもドキドキしているのか、目が合ってもお互いすぐに逸らす。
「美味しかった。ごちそうさま!」
ハルが喜んでくれてよかった。
でも、目の前にいるハルが、なんだか遠く思える。
もうちょっとだけ・・・ハルに近付きたいなぁ。
私たちの間に、机があることで、少し距離があるように思えた。
「夏美?どうかした?」
寂しく思っていた私に気づいたのか、ハルが私に優しく問いかけた。
言おうかな・・・。
いや、やめておこう。
そんな恥ずかしいこと言えない・・・。
それに、重いって思われたら嫌だし・・・。
「何でもないよ!」
だから私は、少し無理して笑った。
「何か、あった?俺に言ってみ?夏美がそんな顔してたら、心配」
ハルのその優しい声に、私はつい甘えてしまった。
「・・・引かないでね?」
「うん。絶対引かない。」
ハルはまっすぐに私を見つめる。