私たちは、真ん中にある机越しに、向かい合って座った。


ドキドキ────


妙な緊張感が走る。


ハルを見るだけで精一杯。


少しだけ広い部屋には、沈黙が生まれる。


・・・何を話せばいいんだろう。


私は自分の周りを見回した。


そのとき、ひとつの箱が目に入った。


真っ白で、落とさずに持ってこようと必死だった箱。


そうだ!


私は、その箱を机の上に出し、ハルに向かって笑顔で言った。


「け、ケーキ!作ってきたんだ。一緒に食べよう!」


「あ、そ、そうだな!サンキュ」


ハルは、「フォークとか持ってくる」と言って、一旦部屋を出た。


その瞬間、心が開放された気分になった。


・・・目の前にハルがいると、いつでも緊張しちゃう。


それに、今日はハルの部屋に2人きり・・・。


ハルが近くにいると、落ち着かないなぁ。


ドキドキしてしまうよ。