「・・・わ!もうすぐハルが来ちゃう!」


気がつけば、もうすぐハルが家に迎えに来る時間だった。


「あら。ハルくんっていうのね〜」


お母さんはなんだか嬉しそう。


でも、そんなお母さんにかまっている暇なんてない。


ごめんね。


早く準備しなきゃ。


私は鏡を見て髪が崩れていないか確認した後、ケーキを箱に入れ、カバンの中身をチェックした。


そして────。


ピーンポーン


インターホンの音が家に鳴り響いた。


「は、はぁい!」


ハルだ!


私は慌てて玄関に出た。


急いでファーブーツを履き、ドアを開けた。


「ハル!おまたせ。」


「・・・・・・やべ。」


ハルは、顔を真っ赤にして呟いた。


・・・ん?


私は特に気にすることは無かった。


すると・・・


「あなたがハルくん?」


後ろから、ドアを開けてニコニコしたお母さんが来た。


・・・どうしよう・・・。


「あ、はい!桜木晴人です。挨拶が遅れてごめんなさい。」


ハル・・・すごい。


突然のことなのに、しっかり挨拶してる。