「待てよ!!」


そう言った桜木くんが私の腕を掴み、私は屋上から出ていくことが出来なかった。


・・・辛いよ。


すると桜木くんが、予想打にしていなかった言葉を口にした。


「なかったことにしてっていうのは、女から告白させんのは嫌だってことで。その・・・なんていうか・・・」


────うそ。


鈍感な私でもわかる。


これってつまり・・・・



「俺は、菅野のことが、好きだ────」



その瞬間、また涙が流れた。


・・・これは、嬉し涙。


「菅野。俺と付き合ってください」


桜木くんも私のことが好きだったなんて。


夢にも思わなかった。