そして────。
「桜木くん。私、桜木くんのことが好きです。」
タイミングよく来た風が、私たちの頬をなでる。
私は、目を見開いている桜木くんを見ることが出来なくて、下を向いた。
「え・・・。」
前に、戸惑いを隠せていない桜木くんがいる。
桜木くんは、なんて言う────?
そして、ようやく桜木くんが口を開いた。
「菅野。ごめん。今のなかったことにして・・・」
──────っ!
・・・みっちゃん。
私、フラれちゃったよ・・・。
やっぱりダメだった。
「うん・・・。わかった。ごめんね。」
私の瞳から、再び涙が流れ落ちる。
私は桜木くんの前にいるのが辛くなり、桜木くんに背中を向けて走り出した。
私は、また桜木くんから逃げるんだ。