ガタンッ────
私はそっと屋上の扉を開けた。
そこにいたのは、桜木くん・・・たったひとりだけ。
まるで、『どうぞ告白してください』って言ってるみたい。
「あ、菅野!遅かっ・・・って、え?泣いた?」
桜木くんは、私の顔をのぞき込んだ。
ドキンッ────
桜木くんの顔が至近距離にある。
こんなの心臓が持たないよぉ!
「ごめんね。」
私は、一言謝った後、覚悟を決めた。
・・・私は今から桜木くんに告白する。
「桜木くん。」
私が桜木くんを呼ぶと、桜木くんは「ん?」と言って私を見つめた。
どうしよう、怖い。
私、言えないかもしれない。
そう思った時、
『頑張ってきな!!あたしはいつでも夏美の味方だからね!!』
最後にそう言ってくれたみっちゃんを思い出した。
すると、不思議なくらい肩が軽くなった気がした。