次の日────。


休み時間。俺は何も考えずに、翔のところに向かった。


「なぁ翔。昨日、何してた?」


本を読んでいた翔は、それを聞くと俺に顔を向けた。


「別に。家でゲームしてた。」


そう言った翔は冷静で。


翔が、俺に嘘をついたのは初めてだった。


怒りと悲しみで、俺は拳を震わせた。


「麻美と何してた?」


俺がそう聞くと、翔が目を見開いた。


明らかに動揺している。


しばらくして、翔が弱々しくこう言った。


「ごめん・・・晴人。」


その時、麻美が俺たちのところにやってきた。


「どうしたの?ケンカでもしてるの?」


呑気だな。


俺はそう思った。


自分が原因だって知ったら、麻美はどうするんだろうな。