「疲れたねー、真美子ー。早く家帰って寝たいわー。」

家、ねえ。

「家なんて、帰りたくない。」

言っても仕方ないけど、そっと呟く。特に意味があるわけでもない。

「え?何か言った?」

「いや、空耳じゃない??」

とぼけたように言ってみる。

「もうさー、一條先生かっこよすぎじゃない?まあ、めっちゃ私雑用されてるんだけど。それでもいいって思えちゃう。」

そのまま、次の話題振ってくれた。

「まあねー。結構タイプかもー。桐ちゃんもじゃない?」

「そりゃもう。あ、でもメガネかけたらもっといい!」

・・・・そうだった。桐ちゃんは、メガネ男子フェチなんだよね。

「ああいう彼氏ほしいわー。でも、どうせ美人の彼女とか奥さんとかいるんでしょーね。」

そりゃそうだ。あんなイケメンだもん。モデルとかと付き合っててもおかしくない。