・・・・会話が生まれたのはありがたいけどその話はなあ・・・・

「あの、このまえまで名字違ったんですけど、親が離婚したので、こんな名前になっちゃって。名簿とかでも目立つからいやなんですよねー。」

「あ、ごめん。ちょっと無神経だったね。知らなかったとは言っても。」

ほら、気を遣わせた。

「いえ、大丈夫です。私平気なので。」

こう言っとけば、すっきりだよね。

「あんまり、強がらなくてもいい。無理するなよ。」

ふわっと頭をなでられる。

「あ、おれ、道具とかいろいろ持ってくる。」

そう言って部屋を出ていく先生。

・・・・すごく落ち着いた。若い先生なのに、お父さんみたいな温かさがあって。まあうちにはなかったけど。

むかし、近所にいたお兄さんにされたのを思い出した。