「うん、まあね。」

「えー、うそじゃないですかー?」

「彼女いたら、生徒とはいえ夜に女の子といたりしないよ。おまえもいったろ。」

笑いながら、先生が言う。

まあ、そっかー。

「え、でもなんで彼女作らないんですか?先生、モテるでしょ。」

ふっと、先生の顔が曇る。

「・・・・いまはまだいいかなって。仕事だってあるしね。」

「すいません、無遠慮でしたね。」

ちょっと反省して、あやまる。

「いや、全然いいよ。小鳥遊って、結構ちゃんとしてるよね。敬語だし。」

ああ・・・・それは、よくいわれる。

距離詰めたりするために、無理してため口になったりするのがめんどいだけなんだけど。

・・・・先生はきっと、前の彼女と納得がいく別れ方ができなかったんだろうな。転勤とか、あとは・・・・浮気とかで別れたっぽい感じ。

どことなく、切なそうだから。