私の名前は

日比谷 菫
中学2年
不登校だけど。


不登校なのはおいておいて


私の日課は

毎朝 海を見に来ることだ


朝日に照らされる海を見て

家に帰る

春でも 夏でも いつでも


それに田舎だから

朝早くなんて誰もいない

はずだった



『おはようございます』



いつものように
石の階段に腰をかけ
海を眺めていると
見知らぬ男の人から
声をかけられた


無視をして海を眺め続ける私に

また話しかけてくる



『海 綺麗だね』



砂浜にはゴミが打ち上げられ
海も緑に濁っている

なのにこの人は綺麗という



「汚いよ」



『どうして?』



見知らぬ人は私の横に座る
そして私の顔を覗きこんだんだ



『汚かったら見にこないでしょ?』



首を振る



「汚いよ ただ
オレンジに染まるのを見てるだけ」



薄暗かった空が明るくなってきた

暗かった海の水面に

朝日が映る




キラキラと光を反射させ
眩しく輝いている



『これを見に来てたのか』



見知らぬ人は笑った



「じゃあ 帰る」



立ち 海に背を向け歩く