「はぁ、はぁ、はぁ~~……」
一気に足の力が抜けてその場に座り込んでしまった。
まだ心臓バクバクしてる。
肩で息をしてあがった呼吸を落ち着かせていると、教室から出てきた私の親友と目が合いギョッとされる。
「ちょ、優愛大丈夫!?」
座り込んでいた私を見て慌てて近寄ってきてくれた。
「こんなに汗かいて、何してきたの?」
ポケットからハンカチを取り出して、私の額に浮かんだ汗を拭ってくれた。
「あ、あのね……初めて……初めて王子様に遭遇したのっ」
私が真剣に今さっきあった出来事を伝えると、口を半開きにしてポカンとされた。
「優愛……あんたは天然だし、ちょっと変わったこと言うこともある。
だけどそれが可愛いとあたしは思ってるよ。
でもそれは夢よ、きっと。幻を見たの」