「えーっと、春野君だよね? 春野朝陽(はるのあさひ)君」
春野君……? 依ちゃん名前知ってるんだ。
何だか名前はとても温かい雰囲気がある。
「そうだけど……」
は、初めて喋ってるところ聞いた!!
声は思っていたよりも怖くなくて、むしろとっても優しい感じがした。
「あの、その子に……」
その子と指差した彼はどうやら私のことを言ってるみたいだった。
「朝陽……お前それじゃ優愛ちゃんが怖がっちゃうよ」
須藤君に言われた春野君はとても不思議そうな顔をしていた。
「朝陽は身長高いから優愛ちゃんに合わせてあげなきゃ」
「ごめんね、この子人見知りで」
依ちゃんと須藤君がフォローしてくれたけど、やっぱりちゃんと春野君のこと見られない。
今、彼がどんな顔しているかも気になるのに見れない。
どうしたら……と思っていると、急にひょっこりと私の顔を下から見上げる人が。