何をされるのかわからなくて、依ちゃんの後ろに隠れようとしたのに
「はい、優愛はこっちね」
隠れるどころか依ちゃんの前に押し出されてしまった。
に、逃げる場所が……。
ドクドクと心臓の音が妙に大きく聞こえる。
目を離せないまま王子様の彼が私の目の前で足を止めた。
恐るおそる下げていた視線をあげて目の前の彼を見てみる。
やっぱり背が高い人だ。
寝てる時にも思ったけど、肌が凄く綺麗。
でも……。
また恐るおそる視線を下げて、堪らなくなった私は依ちゃんの後ろに隠れる。
「ちょ、優愛?」
なんか怒ってるのかな……。
目の前に来てからも何も喋らないし、上から見下ろされるし、ちょっと怖い……っ。
依ちゃんの後ろに隠れてビクビクしてしまう。