「…お前さぁ、わざとやってんの?」



抱きしめたまま、唯君が聞く



「やっ…だって、なんか有り得ない…」



「……何が?」



唯君がまたも聞く



あたしはキュッとシーツを握りしめた




「佐々木君が…あたしのこと好きって言ってるみたいで…」



「……………」



沈黙…



「ごっゴメン!!!そんなこと有り得ないのにあたしってば…」



「…最初からそう言ってるじゃん」



慌てるあたしの髪に優しく指を埋める唯君




…………っ



ダメだよ………



そんなことしないで…



あたし、自惚れちゃうから…




あたしの体が強張ったのに気付いたのか、唯君があたしから少し離れた




「…………っ」



無くなった温もりに、あたしは涙が溢れそうになる…




「…佐々木君、女嫌い治ったの?」



「治ってねーよ」



「なのに、あたしが…好きって…」



「そうだよ」



「本当…に?」



「本当」



「……………」



再び言葉をなくしたあたしに 唯君は顔を近付けながら言ったんだ