こんな時なのに
「………………っ」
握られた唯君の手が温かくて
ずっと、ずっと、繋いでいたいと思ってしまう
あたしは、やっぱり唯君が…
…………って、
「さっ佐々木君!?!?」
「んだよ」
「何で手握ってるの!?」
「………はあ?」
「だって女嫌いだったじゃん!!!!」
あたしは咄嗟に手を引っ込めた
いつもいつも女の子に追い掛けられてたのに
あたしでさえも、話してはくれても
近付くのは許してくれなかったのに…
わかってる、それは、
“女嫌い”
だから、自分からは女の子に近寄ることはしなかったんだよね
……じゃあ、何であたしの手に触れた……?
あたしだって、女の子なのに…
“女嫌い”なのに、何であたしに…
「…お前、分かんねーの?」
唯はため息を尽きながら言った
「…………うん」
「さすが、赤点ギリギリ女だな」
「なっ…!!!!」
「お前が好きだから」