目の前に広がるのは満開の桜。
隣にいるのは、男子の中で1番仲の良い 藤谷 真 。
つまらない話ばかり話したり、面白い話をしてふたりで笑ってるのが、日常だった。
「なぁ、羽山」
「ん?何…?」
「俺、好きな人…出来たんだ」
「……えっ?」
目の前が真っ暗になる。真は…碧と
近い存在じゃなかったの?
他の女子の中で、1番仲が良いって思ってたのに……?
真は話を続けた。
「初めてなんだ。こんな気持ち」
「…」
「だから、その子と話したいから…今日で羽山と一緒に帰るのは終わりにする」
「えっ…」
「ん?」
「その子って…誰…?」
思ってもいない言葉が次々と出てくる。
「っていうか、どんな子か知らないけど、絶対仲良くなるとか無理だよ」
「…」
「なんで、なんで…そんなに急に言うのさ…」
「羽山…」
溢れたときにはもう、遅かった。涙が頬に流れる。ボロボロと落ちてくる。
「私は…藤谷が好きなのに…」
碧はそう言い、その場から走り出した。藤谷に泣顔見られた、それに告白までしてしまった。
後悔の文字が背中に、ドーンッと背負ってる感じがする。