「んっ....。」


目が覚めるとそこは自分の知ってるものがたくさんあった。

大好きなぬいぐるみ、勉強机。

夢でも見てたのか..

窓からオレンジ色の光が差し込んできて

ああ、朝になったんだと思った。

変な夢だったと振り返っていたら

「大丈夫....?」

家族ではない人の声が聞こえて

え?!っと思った。

そしてキョロキョロ辺りを見るとそこには

あの人がいた....。

あの人を見た瞬間に放課後の記憶が蘇って

スマホを見た。

スマホには4月24日午後4時46分と表示されていた...。

夢じゃない....

そう思ってあの人の顔をみると

「離れられなくなったんだ...。」

と言った。

「離れなくなったって...なんで?!?!」

「わかんない...。」

「あたし霊感なんてないのに....!」

「どうなって....」

「あ!頭大丈夫?!?!倒れたとき頭打ったかなって思って!気分は?!悪くない?!大丈夫?」

頭?!?!そう言えば頭痛いかも...。


「頭はちょっと痛いけど大丈夫かな....?」

「ほんとに?!良かったっ...。」

彼はとても喜んでいた。

ここで放課後に起こったことをもう1度振り返った。







あたしは

放課後に花壇に水をあげようと思って

花壇の所に行ったら彼がいて

彼は泣いていた....。

それで慌てて話しかけたら

幽霊だって分かって....、

倒れた...。


目の前にいるのは

放課後の彼。

「あなた誰ですか....。」

「あ、俺、優輝。よろしく。」

「よろしくってなにがっ!!」

「俺、お前から離れられないから...。」

「他にもっと教えてよ?!」

どこに住んでたとか、誕生日とか、血液型とかあるでしょ?!

「ごめん...。覚えてないんだ...。」

「え...?!それって...。」

「何回も思い出そうとしたんだけど....。出てこなくて。」

記憶がない人なんてドラマだけだと思ってた。

「花がいることで何か思い出せそうなんだ...。」



「優輝くんがいつも通りの日を迎えられるといいけどね...。」




あたしはまた天井をみてつぶやいた。