私は学校の裏にある花壇に水をあげてから家に帰るのが入学してからの日課だ。


でも今日は違った。



いつも通り水をあげるはずだったのだけれど




「うわぁっ...」


強い風が吹いて桜の花びらがたくさん降ってきて目が開けれなかった。



もういいかなと思って目を開けた。


言葉が出なかった。



ちょうどいい所に太陽の光があたって




綺麗な顔立ちをした男性がいた。



背が高くて



顔がすーっとすっきりしていて



唇が紅くて



優しそうな人だった。


でもその人は泣いていた。


桜の木を見つめながら...


「あ、あの....大丈夫ですか??」



「えっ?!あ、はい...すいません...」



「ティッシュ使いますか?」




「大丈夫です笑。それより...僕が見えるんですか??」



へっ??


え?!


私は首を傾けた。


何を言ってるんだろ...この人は...


大丈夫なのだろうか...


「何を言ってるんですか....??」

そう言うと彼は

ちょっとごめんね...

と言って私の方に近づいてきて



「手を出してもらってもいい?」


と言った。



私は言われた通り手を差し出した。


すると彼の手が私の手に触れ.....ずに


すぅっと抜けて言った...。



え?!え?!?!

どうゆうこと?!?!

もうパニックになっていた。


彼の顔をみると唇を噛み締めて真剣な顔でこっちをみた。





頭の中であの言葉が浮かんだ。


「ゆ....ゆう..れ..い...?」



私の顔はきっと青ざめているだろう.....



すると彼は緊張した顔でこくりっと頷いた。



それを見てから私は力が抜けてそのままがくりっと落ちた。



前が真っ暗だったけどあの人の声が聞こえた。


なんて言ってるのかは分からなかった。


下が硬い、冷たい。



誰か来て.......。