この図書室は異空間とつながっている。
もうずいぶんと前のことだが、そんな噂が学校中の人に伝わった。
ある時、この学校の生徒が行方不明になる事件があった。その少女と一緒にいたという友達に話を聞くと、少女は異空間に閉じ込められたのだという。その少女は学校1の美少女と言われるくらいかわいい少女だった。そして、無類の本好きだった。
ある日、図書室の1番奥にある本棚に古い本を発見した。その本をあけてみると眩い光に包まれて、そのまま異空間に迷い込んだのだという。その後どうなったのかは不明だ。ただ、あとで誰かがその本をあけてみると、その少女を主人公にした物語がかいてあったのだという。あの少女の身に起こった出来事が書いてあるのではないかと噂された。でも、真実を知るものは誰もいない。どれが正解かなんて分かるはずがなかった。その本はしばらくしてからどこかに消えてしまったのだそうだ。だから、その本を読むことももうできなくなってしまった。
にわかには信じ難い話だ。

私も全く信じていなかった。