「なにそれ!ひどい!」
思わず叫んでしまった。
でも、だって、自分が好きな人と結ばれなかったからと言って、こんなやり方はない思う。
「まあ、そんなムキになんなよ。俺が結婚すりゃあいい話なんだし。」
アルは諦めたように言った。
「アルはそれでいいの?嫌なんでしょ!」
私はエドウィーナのせいでアルを無理やり結婚なんてさせたくはなかった。
「でもしょうがないんだ!それ以外方法がないだろう?」
「でも、考えれば、きっと...」
ただ、アルやルリコさんを助けたい。そう思った。でも、そんな気持ちだけじゃあどうしようもない問題だった。
「いいんだ、もう。俺は母を助けたい。それに政略結婚とかよくあるじゃないか。それだと思えばいい。」
アルも苦しいのだろう。
そんな事は嫌というほどわかった。
でもどうすることも出来ない。何の力にもなれない自分が憎かった。
「アルは、いつ結婚するの?」
「わからない。いろんな準備とかもあるから、3ヶ月後ぐらいだろうな。」
そんな、短すぎるよ。
自分のことじゃないのになぜか胸が締め付けられた。
「心配してくれてありがとな。」
アルは私をみて微笑んだ。
アルは覚悟を決めているのだ。
そう思った。じゃあ、せめて、アルが結婚するまで、出来ることをしよう。
「うん。」