「本当に先輩が言う通り貴方は歌姫ですね笑」

「そんなこと無いです!!あっ、そろそろ下ろしてもらえると…」

「あっ、そうですね笑」

そう言って彼は私をそっと下ろしてくれた。落ち着いた声と優しそうな瞳、私は少しドキッとしてしまった。

「あの…今の曲は「彩香!凄く素敵な歌だったよ!」

「あっ、渉!」

「大丈夫?怪我してなくて良かったよ」

「うん、この方が受け止めてくれたお陰よ。本当にありがとうございます」

「いえいえ」

「貴方のお陰で彼女が助かりました。あの、このお店にはよくいらっしゃるんですか?」

「いえ、今日初めて来たんです」

「そうですか!じゃあ、一緒に飲みましょう!お礼として僕がおごります!」

「え、そんなたいしたことしてないですし!」

「いや、おごらせてください!」

「…じゃあ、お言葉に甘えて…」

そう言って2人は仲良く飲み始めた。