「なにあいつ!!」

「さくら、ありがとう。でも、加瀬君も悪意があって言ったんじゃないってわかってるからっ。許してあげて。」

「んもぉ〜めーちゃんがそう言うなら今回だけだからね」

「ありがとっ」

最後ちゃんと聞こえたんだ。

『…あぁ。…悪かったな。わりぃ』

加瀬君…謝れたんだな…ふふ

ーピリピリピリー

「え?!電話?」

ーポチッー

「もしもし」

『もしもし。めい?』

ドキッ!

「運生?どうしたの?」

『今日病院くるんだろ?そん時お見舞いの品忘れるなよ〜』

「ばかっ!それを自分で言うか!」

『あぁ?!見舞いといえば…』

「はいはい!わかりましたよ〜。まったく子供だね」

『はぁ?めい、後で覚えとけよ』

「忘れてるよ〜」

『ぶっ!』

「なによー!」

『あほっぽいなぁと思って』

「それはそっちでしょ!!」

ん?視線を感じ…?!!!…さくらと野々がニヤニヤ。

「…運生君との電話ぁ?ラブっぷりはすごいわ」

ぼそぼそと言ったので電話越しの運生には聞こえないと思うけど私には聞こえた。

「さ、さくらぁ!!!!!!!」

『うわっ!なんだよ…うるせぇ」

「ごめっ!ちょ、さくらぁ!!運生!また後でかけ直すねっ!あああ!さくっ」

ーブチッー

「えぇ。もう運生君との会話終わっちゃったの?つまんなぁい」

はぁ、さくらには振り回されてばっ…

「野々さん、その顔はなに?」

「え?いや、なんでも…ふふ」

「笑みがこぼれてるしっ!」

あぁ…楽しい。いじめられている時の精羅たちの中にいた時のように…。