効果音をつけるとしたら、ムニッ。



かいくんが振り向く瞬間に、私は人差し指を立ててかいくんの頬に突き刺す。



「全く、小学生か……」



これには、さすがのかいくんも呆れていた。



「このセリフ、このままお返ししますよぉーだっ」



わんぱく少年の、かいくんにだけは言われたくない言葉だもん。



辺りは、月明かりが薄く光る夜。



冬になって、日も短くなった。



最終下校時刻も、もうそろそろ。



受験まで、あと1ヶ月をきった。