私は押されるがまま、かいくんの待つ教室まで駆け抜ける。



プレゼントは置いといて、先生が言うように、短い時間を有利に使いたかった。



「お待たせ、かいくん」



私は笑顔で、かいくんに言った。



かいくんは珍しく、椅子に座っておとなしく読書をしていた。



「……先生と、随分仲良く話してたんだな。廊下にまで響いてた」



「仲良くっていうか、アドバイスを貰ってた」



私の顔を見ないかいくんに、少しのイタズラを仕掛ける。



私はかいくんの肩を、トントンと叩いた。



「やーい、引っかかった!」