学習室前廊下に、私の先生の声が響く。



「どんなものだって、お前から貰ったものならあいつは、はしゃいで喜びそうだけどな」



「………それは先生の経験談ですか?」



「それはお察しください」



教室に戻る私の背中を、先生が片手で押してきた。



「短い時間が後悔に変わらないように、たくさんの青春をしてくださいな」



たった一言の、先生からのアドバイス兼応援。



私の背中に込められた先生の手は、暖かく、それでも力強く。



私たちを未来に羽ばたかせるようだった。